「資産運用にリスクはつきもの」とよく言われます。
そして「リスク=危険」というイメージが強く、「資産運用=危険」と思われることが多いでしょう。
そのため、「リスクを低くする」方法が重要視されますが、本当に「リスクが低い」ことが良いことなのでしょうか?
この答えを出すためには「リスク」の意味を正しく知ることが重要になります。
そこで今回は「資産運用におけるリスク」について解説していきたいと思います。
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
資産運用におけるリスクとは
資産運用におけるリスクとは「値下がりする危険性」と考えられることが多い気がします。
しかし、それは正しいとは言えません!
資産運用におけるリスクとは「値動きの振れ幅」のことです。
以下の図をご覧ください。
低リスクとは「値動きの振れ幅」が小さいこと。反対に高リスクとは「値動きの振れ幅」が大きいことです。
皆さんは「低リスク」と「高リスク」のどちらがいいですか?
恐らくですが、全員が同じ答えにはならないと思います。
もう少し理解を進めていくためにも、「低リスク」な運用と「高リスク」な運用にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
低リスクな運用
低リスクな運用として代表的なものに以下のものがあります。
- 預金
- 国債
- 保険・個人年金
- 投資信託
価格の変動が「小さい」または利回りが「低い」と言われているものがほとんどです。
そのため、反対に大きく増えることもありません。
そして投資先を選ぶ労力が少ないこともこれらの運用の特徴です。
高リスクな運用
高リスクな運用として代表的なものに以下のものがあります。
- 株式投資
- FX
- 外貨
- 仮想通貨
- 不動産投資
先ほどに比べ、価格の変動が「大きい」または利回りが「高い」ものが並んでいます。
そのため「リターンが大きくなる」可能性もありますが、反対に「損失が大きくなる」可能性も高くなります。
特に、株式投資や不動産投資などは「購入商品を自分で」選ぶことが必要となり、より高度な知識が必要になってきます。
また、FXなどで使われる「レバレッジ」はこの「価格に変動」を大きくする仕組みですので、「高リスクな運用」と言われています。
リスクは低いほうがいい?
具体的な運用方法を掴んだところで、改めて「リスクは低いほうがいいのか?」という問いについて考えていきたいと思います。
私の結論は「低いからいいわけでも、高いからいいわけでもない」です。
「リスク=振れ幅」、つまりリスクが高くなければ高いリターンは得られないため、「リスクが低い」ことがいいわけではありません。
反対に「リスクが高い」場合に、耐えきれない損失を被ることもよくありません。
つまり「自分の状態に合ったリスクコントロール」が重要になります。
図の「撤退ゾーン」とは、自分の「耐えられる損失の範囲」を超えてしまっている状態です。
ここまでいってしまうと、損失が大きすぎて投資を続けられなくなってしまいます。
投資では「時間を味方につける」ことがポイントの1つです。
やる以上は続けることが重要ですので、リスクを「自分の許容範囲内」でコントロールするようにしましょう。
ということで、次はリスクをコントロールする方法を紹介していきます。
リスク管理の方法
リスク管理の方法にはいくつかありますが、ここでは代表的な「資産の分散」について紹介します。
今回は「為替」を例にしてみます。
「為替」の値動きは表裏一体で、日本円と米ドルを例にすると、日本円が上昇すれば米ドルは下落します。反対に米ドルが上昇すれば日本円は下落します。
「円のみ保有」している場合は、日本円が上昇すれば資産が増えますが、反対に日本円が下落すれば資産が減ってしまいます。
「ドルのみ保有」している場合はその反対です。
しかし、「円とドル半分ずつ保有」している場合は、値動きの影響を受けません。
このように資産を分散することで「値動き」の影響、つまり「リスク」を減らすことができます。
ただ、あくまでも上記の例は一例に過ぎず、資産の分散方法は様々あります。
詳細は以下の記事で解説していますので、こちらをご覧ください。
資産運用における「リスク」について理解いただけたでしょうか。
高い、低いが問題なのではなく、自分にあった範囲で適切にコントロールすることが非常に大切になってきます。
リスクの本質を理解して、自分の資産を守っていただければ幸いです。