今回は総合商社銘柄の1つである「丸紅」について紹介していきたいと思います。
2020年3月期は原油価格暴落の影響で大幅な減損が発生し、総合商社の中で唯一赤字を計上しましたが、そこから復調の兆しがあります。
そんな丸紅の2021年3月期の決算発表が出ましたので、最新の決算情報を踏まえつつ、今後の株価の見通しについて考えてみました。
【この記事の目次】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」です。
株式投資の経験は2010年から10年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,700万円の株式を保有しています。
丸紅こそ保有していませんが、現在総合商社5銘柄を保有していますので、リアル感のある解説ができればと思っています。
丸紅の事業内容
丸紅は総合商社として、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引や、事業への投資・資源開発などをしている企業です。
事業の範囲は、かなり広い分野に渡っています。
セグメントも以下の表の通り、他の総合商社と比べても細かく分類されているのが特徴です。
セグメント構成比については以下のようになっています。(※2021年3月期実績より)
セグメント構成比では「食料」や「アグリ事業」のウエイトが高く、主力となっている分野と言えそうです。
とは言え、各セグメントに広く資産が分散されていることも同時に見てとれるでしょう。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
2016年3月期には総合商社各社が減損で赤字転落する中、黒字で乗り切りましたが、2020年3月期には巨額の減損により赤字に転落しました。
しかし、新型コロナウイルスの影響であったことは否めなく、2021年3月期はこれまでの利益を回復してきています。
また2022年3月期も若干ながら増益予想となっており、しっかりと立ち直ったと考えて良さそうです。
株主還元の方針
丸紅は株主還元に関して、以下のような基本方針を出しています。
連結配当性向25%以上、かつ各年度の期初に公表する予想配当金を下限とする
そして配当額の推移は以下のようになっています。
2022年3月期は上記方針に基づき、「年間34円/株」を下限とし、少なくとも1円の増配を予定しています。
ちなみに、2021年3月期に関しては期初「年間15円/株を下限とする」と公表していましたが、
結果は「年間33円/株」となりましたので、業績次第で更なる増配の可能性はあると考えることができます。
配当利回り
続いて配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:978.1円(2021年6月22日終値)
配当:34円(2022年3月期予想)
ここから算出される利回りは3.5%となります。
日本株の平均からすると高い水準にありますが、総合商社の中で考えるとそれほど高いわけではありません。
増配次第では利回りも上がるかもしれませんので、業績の進捗に要注目かと思います。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
業績が落ち込んでいた2016年に底値をつけた後、株価が上がっていましたが、コロナウイルスの影響で再び下落。
しかし、その後株価はV字回復を達成し、直近5年間で最高値を狙う水準まできています。
割安性の指標であるPBR、PERを見てみると、
PBR:1.08倍 PER:7.38倍
となっており、PBRは1倍超えのため普通、PERはやや割安といったところでしょうか。
しかし総合商社は全体的に株価が割安な傾向があるので、日本株の平均と比べると今の水準は十分に割安と言えます。
この辺りは他の総合商社とも比較してみてください。
個人的な投資判断としては、丸紅自体は投資対象として検討する価値があると考えます。
しかし、総合商社銘柄の中でファーストチョイスかと言われると、そうではないと思います。
現在は割と株価が好調で、無理に手を出す必要はないと思いますので、個人的には気長に見守っていきたいと思っています。