「株主優待」
株式を保有する個人投資家にとっては、魅力の1つであったりしますね。
そんな株主優待を、私達の生活に身近な存在でもある「家電量販店」各社が取り入れています。
その中で今回は「ノジマ」の株主優待について紹介していきたいと思います。
あわせて株価の見通しも考えてみましたので、よろしければご覧ください!
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
ノジマの事業内容
ノジマの事業は、祖業でもあるデジタル家電専門店「ノジマ」の運営を主とし、携帯電話の販売・インターネット事業等も行なっています。
セグメントは5つに分類されています。
- デジタル家電専門店運営
- キャリアショップ運営
- インターネット
- 海外
- その他
元々のデジタル家電専門店運営事業以外については、M&Aで事業展開を開始しているところが特徴になっています。
キャリアショップ運営事業はアイ・ティー・エックス株式会社を、インターネット事業はニフティ社を、海外事業はCOURTS Asia Ltdを買収して参入しています。
最近はスルガ銀行の株式を取得しており、今後は金融とのシナジーを模索していくようです。
なお、2020年3月期のセグメント構成比は以下のようになっています。(※その他セグメントは構成比が小さいため除外しています)
キャリアショップ運営は、最近逆風が吹いていますが、それを他のセグメントが補っている状況です。
新型コロナウイルスのマイナス影響もほとんど無く、むしろ巣ごもり需要によるプラスがあるくらいです。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
2016年3月期から急に数値が伸びているのは、アイ・ティー・エックス株式会社の買収によるものです。
それを除いても、増収増益の右肩上がりを描いており、現在も過去最高益を毎年更新中です。
2021年3月期の数字が大きく伸びているのは、スルガ銀行の株式を取得した影響ですが、それを除いても過去最高益となる予想です。
今後の懸念としては、株式を取得したスルガ銀行の動向次第で特別損失を計上することがあるかもしれないことくらいです。
ただ、あくまでも個人的な思いつきで、根拠があるわけではないので聞き流してもらえればと思います。
株主優待について
ノジマの株主優待は、全て「ノジマ店舗」に関連するもののですが、全部で4種類あります。
- 株主優待割引券
- 株主来店ポイント券
- 店頭サービス優待券
- ノジマPBエルソニック商品
獲得できる優待券の枚数は保有株数によって変わります。
権利確定月は3月と9月の2回で、上記表は1回あたりの獲得枚数ですので、年間ではこの2倍となります。
ただし、ノジマPBエルソニック商品のみ9月権利確定の年1回優待です。
それでは簡単にそれぞれの優待券の紹介をしておきます。
株主優待割引券
まずは1つ目の「株主優待割引券」です。
この優待券は、ノジマで買い物をする際の「10%割引券」となっています。
ただし、割引額の最大は1,000円です。
逆に会計が10,000円を超える場合は複数の割引券が使用でき、購入額が10,000円ごとに1,000円引きになると考えるとわかりやすいかもしれません。
株主来店ポイント券
2つ目は来店時にノジマのポイント付与をしてもらえる「株主来店ポイント券」です。
1枚につき500ポイントがもらえますが、1日に1枚までの利用となるので注意しましょう。
残り2つの優待については情報公開があまりされていないようです。
保有株数の条件も厳しいので、貰ってみてからのお楽しみということで、今回は割愛させていただきます。
株主還元の方針
次に、ノジマの株主還元の方針は以下のようにされています。
当社の基本方針は「安定成長」と「安定配当」であり、1994年の上場以来、一度も減配は行っておりません。 業績を向上させることで株主価値も向上させ、業績を恒久的に成長させていくことで恒久的に配当を増加させるという、上場以来のこの方針を、今後も継続してまいります。
配当については安定を重視しており、今後の減配が無いとまでは言い切れませんが、これまでに減配は発生していません。
2021年3月期は4円増配の「44円/年」を予定しており、8期連続増配となりそうです。
今後についても恐らく、業績が伸びれば増配、そうでなければ横ばいが続くと考えています。
また、配当性向も2020年3月期で約13%と、まだまだ余力を持っていると言えるでしょう。
配当・優待利回り
続いて配当・優待利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:2,843円(2021年1月15日終値)
配当:44円(2021年3月期)
優待:12,000円(100株保有)
ここから算出される利回りは以下の通りです。
- 配当利回り:1.5%
- 優待利回り:4.2%
- 合計利回り:5.7%
優待利回りは高くなっていますが、あくまでも最大まで使用した場合の利回りです。
使い勝手もそれほど良いとは言えないので、あまり期待しないほうが良いかと思います。
そのように考えると、配当利回りが1.5%なので、利回りでは魅力はないことになります。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
株価はコロナショックから回復し、2020年9月に上場来高値を更新しています。
現在も最高値に近い株価を維持している状態です。
ちなみに割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:1.10倍 PER:3.03倍
(※2021年1月15日終値時点)
となっており、PBRは普通、PERはかなり割安となっています。
ただし、これはスルガ銀行の株式取得による一過性の利益を含んでいますので、それを除外して考える必要があります。
軽く計算したところ、実際のPERは7〜8倍程度ではないかと思います。
これでもまだ割安と言える水準ですね。
結論としては、現時点の配当利回りや株主優待はそれほど魅力的ではありません。
しかし、今後の成長性や将来の株主還元を考慮すると、現在もまだ割安と言える可能性があります。
株価が2,500円を下回ることがあれば、個人的には購入を検討したいと思います。
以上、ノジマの分析でした。
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