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【配当利回り10%?】好業績「日本郵船」の株価見通しと投資判断を考えてみた

今回はご紹介するのは「日本郵船」です。

 

2021年8月4日に実施された「2022年3月期 第1四半期決算説明会」にてかなり好調な決算を発表しています。

 

そこで驚きの「配当利回り10%!」にも達する増配が発表されています。

 

この結果を受けて、果たして日本郵船の株価がどうなるのか?

 

そして私なりの投資判断を考えてみましたので解説していきたいと思います。

 

【この記事の目次】

 

この記事を書いている私は、30歳の「ごく普通のサラリーマン」です。

 

株式投資の経験は2010年から11年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,700万円の株式を保有しています。

 

そんな私の分析ではありますが、よろしければご覧ください。

 

決算発表の結果

まずは「2022年3月期 第1四半期決算説明会」の内容を押さえておきます。

 

以下、決算説明会資料の抜粋です。

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重要なところだけ書き出してみます。

  • 売上高:5,046億円(+1,434億円)
  • 経常損益:1,536億円(+1,370億円)
  • 当期純損益:1,510億円(+1,394億円)

 

きれいな増収増益です。
また、増収分のほとんどが増益になる凄まじい結果です。

 

市況が良い(運賃の値上げされている)影響が大きいと考えられますね。

 

そしてそれを踏まえて今度は、2022年3月期の通期業績予想です。

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またしても重要なところを。

  • 売上高:18,500億円(+3,500億円)
  • 経常損益:5,000億円(+3,600億円)
  • 当期純損益:5,000億円(+3,600億円)
  • 配当:通期700円/株

 

こちらも増収増益の予想になっており、その増益幅には目を見張るものがあります。

 

そしてなんと言っても注目の配当です。

 

決算発表があった、2021年8月4日の始値は7,000円を割っていましたので、年間700円の配当ということは、配当利回りは10%!になります。

 

これはかなりサプライズになったことでしょう。

 

実際に市場も反応していて株価も決算発表後上がっています。

 

しかし、私自身は日本郵船株は保有しておりませんので、今からでも買いが間に合うのか?という視点で投資判断をしてみたいと思います。

 

日本郵船の事業内容 

日本郵船は明治時代に海運を担う会社として誕生、現在は陸海空全般における物流事業を展開しています。

 

セグメントでは以下の6つに分類されています。

  • 定期船事業
  • 航空輸送事業
  • 物流事業
  • 不定期専用船事業
  • 不動産業
  • その他の事業

 

そしてセグメント構成比は以下のようになっています(2022年3月期 第1四半期実績より)。

  売上高 経常損益
定期船 9.6% 72.2%
航空輸送 8.4% 9.9%
物流 33.8% 7.5%
不定期専用船 41.5% 10.4%
不動産 0.3% 0.5%
その他 6.5% ▲0.4%

特徴は定期船の経常損益がかなり大きくなっていることです。

 

これには理由があり、持分法適用会社「OCEAN NETWORK EXPRESS」社の収益が営業外利益として計上されているためです。

 

そのため決算資料を見ても「営業損益」と「経常損益」で数値に大きな差がありますが、これが理由と考えると良いでしょう。

 

直近の業績

直近の業績は以下のようになっています。

(百万円) 売上高 経常利益 純利益
2012年3月期 1,807,800 33,200 72,800
2013年3月期 1,897,100 17,700 18,800
2014年3月期 2,232,700 58,400 33,000
2015年3月期 2,401,800 84,000 47,500
2016年3月期 2,272,300 60,000 18,200
2017年3月期 1,923,881 1,039 265,744
2018年3月期 2,183,201 28,016 20,167
2019年3月期 1,829,300 2,052 44,501
2020年3月期 1,668,355 44,486 31,129
2021年3月期 1,608,414 215,336 139,228
2022年3月期(予) 1,850,000 500,000 500,000

業績から見て取れることは、利益に波があるということです。

 

昨年度、今年度は急激に利益が増えていますが、過去はそれほど大きな利益を上げていたわけではなく、赤字の年度も存在しています。

 

日本郵船の業績は市況の影響を大きく受けると考えておいたほうが良いでしょう。

 

2022年3月期予想の純利益5,000億円が毎年続くならばいいですが、そうは単純にいかないだろうというのが私の個人的な予想です。

 

株主優待について

日本郵船の株主優待は自社が運営する「飛鳥クルーズ」の料金割引券です。

 

割引額は10%で、保有株式数に応じて獲得枚数が変動します。

  • 100株以上:3枚
  • 500株以上:6枚
  • 1,000株以上:10枚

 

権利確定月は3月で、年1回の優待となっています。

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株主還元の方針

日本郵船では、以下を株主還元の基本方針としています。

・連結配当性向25%を目安とし、業績の見通し等を総合的に勘案し利益配分を決定

・業績の変動に左右されない最低限の配当を継続することを基本とし、1株当たり年間20円を当面の下限金額とする

 

直近の配当実績も見てみると、基本方針が遵守されていることがわかります。

  配当金額 配当性向
2018年3月期 30 25%
2019年3月期 20 赤字
2020年3月期 40 22%
2021年3月期 200 24%
2022年3月期(予) 700 24%

 

今回の年間700円の配当は驚くべき額ではありますが、配当性向で見ると基本方針通りだということですね。

 

業績さえ担保されれば、配当は期待できるということだと考えれます。

 

配当利回り

続いて配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。

  • 株価:7,770円(2021年8月6日終値)
  • 配当:700円(22年3月期予想) 

 

 配当利回りは9.0%となっています。

 

決算発表後、株価が上昇しましたので、今は9.0%となっていますが、それでもかなり高い水準です。

 

この数値だけ見れば即購入なのですが、果たしてどうでしょうか…。

 

株価の見通し

まずは直近5年間の株価推移を確認します。 

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株価は直近で急カーブを描いて上昇しています。

 

これを見て買えるかどうかですね…。

 

一方で、割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、

PBR:2.1倍  PER:2.64倍
(※2021年8月6日終値時点)

となっており、PBRの面では割高ですが、一方でPERの面ではかなり割安と言えるでしょう。

 

あくまでも純利益「5,000億円/年」の数字を基準にしてではありますが、まだ割安感があるとも見て取れます。

 

このように両面を見ると判断はかなり難しいものだと感じます。

 

投資判断

最後に投資判断を考えていきたいと思います。

 

結論から言うと、今回私は日本郵船の購入を見送ります。

 

短期的にはまだ上昇を狙え、来年3月の決算配当の権利確定まではその傾向が強く出るのではないかと思ってもいますが、

 

一方で何か事情が変わった際の暴落のリスクも大きいと考えているためです。

 

私自身の投資方針は長期安定保有ですので、その方針には合致しなかったという考え方です。

 

来年度以降の業績も同じ様になる見込みも現時点では見えてこない部分も不安材料ですしね…。

 

とはいえ、10%近い配当利回りは魅力的であるのは事実ですので、気になる方は自己責任でトライしてみてください。

 

以上、「日本郵船」の分析でした。

 

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