今回はご紹介するのは「東京海上ホールディングス」です。
高配当利回りかつ、株主還元にも積極的で、人気の銘柄の1つです。
安定運用を考えるならば、検討の範囲には入れておくべき銘柄ということで今回分析をしてみました。
最後には、個人的な投資判断も考えていきたいと思っています。
【この記事の目次】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」です。
株式投資の経験は2010年から10年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,500万円の株式を保有しています。
そんな私の分析ではありますが、よろしければご覧ください。
東京海上ホールディングスの事業内容
「東京海上ホールディングス」は国内外で保険事業を展開しています。
そしてセグメントでは、以下の4つに分類されます。
- 国内損害保険事業
- 国内生命保険事業
- 海外保険事業
- 金融・一般事業
この中でも、保険事業の構成比(2020年3月期)は以下のようになっています。
ちなみに海外保険は海外において損害保険と生命保険の事業を展開しています。
これらを踏まえて考えると、損害保険事業が主力であることがわかります。
さらに損害保険の中でも、自動車に関する保険の取り扱いが40%を超えており、強みになっているように思います。
また、集めた保険料収入の運用も行なっていますが、内訳としては有価証券の割合が高く、運用益の観点からは景気の影響を受ける可能性を考えておくと良いでしょう。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
ここ最近の業績はほとんど横ばいといった感じです。
2021年3月期は、新型コロナウイルスの影響もあり、資産運用が低調なことも含め減益が予想されています。
これは一過性のものと考えれば、減益幅もそれほど大きくはないため、それほど気にする必要もないかもしれません。
株主還元の方針
東京海上ホールディングスでは株主還元の基本方針を以下のようにしています。
当社では、株主還元は配当を基本として、利益成長に応じて配当総額を持続的に高めてまいります。配当性向は、平均的な修正純利益の35%以上とし、将来のグループ像に向けて段階的に引き上げていきます。
自己株式の取得は中長期的に株主価値を高める観点から、「健全性」と「資本効率」をふまえつつ、市場環境や資本水準、事業投資機会等を総合的に勘案し、機動的に実施することとしています。
基本方針からは配当に重きを置いていることがわかります。
実際に配当の実績を見てみると、きれいな右肩上がりを描いており、連続増配が続いています。
しかし、業績がそれほど伸びていない中なので、配当額の維持が可能か気になるところです。
配当性向も50%を超えているので、注意する必要があると思います。
一方で1つ良い傾向も見られます。
それは自社株買いの実施による、発行済株式数の減少です。
発行済株式数が減ると、1株当たりの配当を増やしやすくなる効果がありますので、今後も注目したい指標です。
配当利回り
続いて配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:5,547円(2021年3月12日終値)
配当:200円(21年3月期予想)
ここから算出される利回りは3.6%となります。
特別配当がある場合、これを超える可能性がありますが、現状会社側が正式に発表している200円を予想配当として計算しています。
配当利回りとしては高い水準にありますが、「もう一声!」といった気持ちもあります。
ただ、安定配当を狙う銘柄としての保有は十分ありだと思います。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
新型コロナウイルスの感染拡大を機に一度大きく値下がりしていますが、それ以外は堅調に上昇傾向にあります。
また、コロナショックからも株価が回復してきているので、値動きの面ではかなり安定していると見て良いでしょう。
また、割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:1.12倍 PER:19.25倍
(※2021年3月12日終値時点)
となっており、平均的な数値です。
しかし、同業種の銘柄と比較するとやや割高感もあります。
積極的な株主還元策を打ち出している成果か、株価を上に引っ張っているとも考えられます。
投資判断
「東京海上ホールディングス」を買う理由としては、やはり株主還元があるでしょう。
配当利回りが高く、増配が続いていることが好印象です。
一方で、成長性の部分ではやや疑問が残ります。
今後大きく業績を伸ばしていくとまでは考えづらいと思っています。
そこで投資判断としては、「悪くないものの積極的に買うほどでもない」とさせていただきます。
安定配当を重視した方針の方は、分散投資の一部として保有するのは良いと思います。
ただし、JTの例もあるので一極集中投資は避けることをおすすめします。
個人的には、金融業界の銘柄を多く保有していることもあるので、当面購入の予定はありません。
以上、東京海上ホールディングスの分析でした。