今回はご紹介するのは「国際計測器」です。
この会社名を聞いたことがない方も多いのではないかと思います。
ただ、専門的な分野においては高いシェアを誇る他、配当利回りや自己資本比率が高く、長期保有に向いている銘柄だと思い、記事にしてみました。
投資判断を含めて紹介できればと思っています。
【この記事の目次】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」です。
株式投資の経験は2010年から10年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,500万円の株式を保有しています。
そんな私の分析ではありますが、よろしければご覧ください。
国際計測器の事業内容
国際計測器は、振動計測技術をベーステクノロジーとする試験計測装置の専門メーカーです。
モーター等の回転部品において、性能向上や省エネ、騒音・振動の減少を実現するには回転軸の釣り合い(最適なバランス)が重要になりますが、それを計測する装置を製造しています。
そしてその装置は、以下の様々な分野で活用されるのです。
- 自動車関連分野
- 家電分野
- 事務機器分野
- デジタル機器分野
- 地震計測
また、主力商品のバランシングマシンでは、日本のトップシェアを獲得する他、
主力販売先の自動車業界に対しては、ほとんどの企業との取引実績がある等、専門分野においてはかなりの実力を持っています。
※参考:自動車業界の主要納入先
- トヨタ自動車
- 本田技研工業
- 三菱自動車工業
- スズキ
- ダイハツ工業
- 日産自動車
- SUBARU
ポイントはモーターには振動計測技術が欠かせないこと、そしてその製品のトップシェアが国際計測器であることです。
個人的には、事業内容からは堅い企業だと考えます。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
直近の実績では、売上高・利益とともに年度によって増減が見られます。
これは製品の特性上、買い手にとっては「設備投資」となるため、ある程度の偏りが出てしまうのは仕方ないと考えます。
それでも黒字を維持している点は評価できるでしょう。
過去の業績を長い目線で見てみても、やはり波があるものの、リーマンショックの時ですら黒字を維持しています。
景気の影響を受けるため、確実な右肩上がりは実現できないものの、大崩れはしないと考えることができます。
株主還元の方針
国際計測器では株主還元の基本方針を以下のようにしています。
安定的な経営基盤の強化を図り、業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定かつ継続的な配当を行うことを基本方針としております。
やや抽象的なので、方針から配当を予想することは難しくなっています。
2021年3月期については、中間配当で「15円/株」が支払われていて、期末配当は「10〜15円/株」になるのではないかと思います。
自己資本比率が60%超と財務基盤はしっかりとしているので、ある程度の安定した株主還元が期待できるでしょう。
配当利回り
続いて配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:745円(2021年2月5日終値)
配当:25〜30円(21年3月期予想)
ここから算出される利回りは3.3〜4.0%となります。
低い方の利回りで見ても悪くはない数字かとは思います。
ただし他にも配当が高い銘柄はありますので、特筆するほどとは言い難い部分がありますね。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
株価は高値だった頃と比べると、半値以下となっています。
新型コロナウイルスの影響も受けて下落しましたが、そこからの回復が重いように見えます。
さらに長い期間で株価の推移を見てみると、業績とほぼ連動していることがわかります。
国際計測器の業績は景気に影響を受ける傾向があるので、株価にも波があると考えることができます。
そのように考えると、今が仕込み時と考えることもできそうです。
また、割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:0.95倍 PER:17.49倍
(※2021年2月5日終値時点)
となっており、若干割安といった感じです。
過去の株価から考えると、株価が高いときにはPBRが2〜3倍くらいまで上がっているはずなので、そう考えると安いとも捉えられます。
投資判断
最後に、個人的な投資判断を考えてみます。
国際計測器は配当利回りが高い方の銘柄ではありますが、配当狙いの投資としてはやや物足りなさを感じます。
一方で、過去の値動きを見ていると、購入して数年保有すれば2〜3倍くらいは狙えそうな気がしています。
また、財務基盤は安定しているので、これ以上の大きな下落はそれほど心配ないと考えます。
そこで、購入後株価が低い内は配当目的として保有。
その後値上がりすれば、その時点で売却してしまう方針で購入するのは面白いと思います。
資金さえあれば300〜500株くらい購入したいなと感じているので、しばらく監視対象に加えておきたいです。
以上、国際計測器の分析でした。