今回は「リコー」について紹介します。
オフィス勤めの方なら聞いたことが多いと思いますが、コピー複合機等を中心とした、事務機において国内トップクラスのシェアを誇る会社です。
また、1株保有するだけで株主優待が受けられる数少ない銘柄でもあることから、今回分析をしてみました。
よろしければご覧ください!
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
リコーの事業内容
リコーの事業内容は、下記分野における「開発、生産、販売・サービス」等の活動となっています。
- オフィスプリンティング
- オフィスサービス
- 商用印刷
- 産業印刷
- サーマル
- その他(精密機器部品・カメラ等)
主力はオフィスプリンティング分野で、世界トップクラスのシェアを有する「オフィス向け複合機」を中心として、機器の販売から保守サービス及び関連消耗品の販売を行なっています。
ただ、それ以外にも数多の事業を展開していますので、興味がある方は以下のリンクから見てみると良いでしょう。
なお、2020年3月期のセグメント構成比は以下のようになっています。
やはりオフィス関連の構成比が高く、新型コロナウイルスの影響で業績悪化が懸念されます。
また、今後在宅勤務の習慣が定着してくると、リコーにとっては逆風になることが想定されます。
もう1つの特徴としては海外比率が高いことです。
既に国内を上回っていて、今後さらに海外進出に活路を見出していけば前向きな見方もできるようになるかもしれません。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
売上高はほぼ一定、利益は波があるといった感じです。
2018年3月期に巨額の赤字を計上していますが、これは買収した米複合機販売会社において1800億円弱の減損処理があったためです。
それがなければ黒字を確保できていたともとれますが、利益面で右肩下がりになっている点は拭えません。
新型コロナウイルスも逆風となる中、ビジネスモデルの変革がなければ縮小均衡に陥る危険性もあると考えています。
業績面からは、投資するには不安がありますね。
株主優待
リコーの株主優待は、グループ会社の製品である「カメラや時計等を特別価格で購入できる」特典です。
最大で半額になるようなので、好きな人にとっては魅力的かもしれませんね。
ちなみに、権利確定月は3月末と9月末となっています。
他にも「1株保有するだけで株主優待が受けられる」銘柄はあります。興味のある方は以下の記事をご覧ください!
株主還元の方針
次に、 リコーの株主還元の基本方針ですが、以下のように公表されています。
19次中計 株主還元方針
・連結配当性向 30%目安
・自己株取得は、経営を取巻く諸環境等を踏まえ機動的に実施
20次中計 株主還元方針
・総還元性向を目安とする
・安定的な株主還元に加え、資本収益性向上への取り組みの結果として発生した余剰資金については機動的な資本政策を検討
上記2つを記載しましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、「20次中計」がスタートしたとは言い難い状態です。
また、2021年3月期は赤字決算が予想されているため、年間15円を予定し、中間配当金は7.5円となっています。
目安として、2020年3月期の配当性向を見てみると、
- 純利益:395億円
- 1株利益:54.6円
- 配当額:26円
- 配当性向:47.6%
となっており、株主還元の方針と合わせて考えると、早期の増配は期待できないと考えています。
配当・優待利回り
続いて配当・優待利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:747円(2020年12月11日終値)
配当:15円(2021年3月期予想)
ここから算出される配当利回りは 2.0% です。
減配もあって、利回りは決して高いとは言えない水準です。
優待利回りは金額換算が難しいため、今回は算出しませんでした。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
直近5年間を見てみると、新型コロナウイルス感染拡大後、最安値水準で推移していることがわかります。
新型コロナウイルスの影響を受ける前の株価からは約半値となっているので、脱コロナ後はある程度の株価回復が見込めるかもしれません。
ちなみに割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:0.60倍 PER:赤字決算
(※2020年12月11日終値時点)
となっており、PBR面は割安と言えます。
しかし、赤字決算である限り自己資本は減っていきますので、一概に割安と言い切れない側面があります。
「安易に購入」とはいけないのが正直なところです。
結論としては、この状況での購入はリスクが高めだと考えます。
ただし、株主優待狙いとして1株保有なら株価も安いので問題ないでしょう。
以上、リコーの分析でした。
1株保有を検討するならば、以下の記事を参考にしてみてください。