今回は私の保有する銘柄の1つである「住友商事」について紹介していきたいと思います。
住友商事は、総合商社の中では時価総額において8社中4位(2020年5月8日時点)ですが、その額は1.5兆円を超えており、非常に規模が大きい企業です。
また、総合商社株として例に漏れず高配当利回り銘柄です。
5月8日(金)に発表された「2020年3月期の決算情報」を踏まえつつ、株価の見通しについて考えてみたいと思います。
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
住友商事の事業内容
住友商事の事業の特徴は、総合商社として非常に活動範囲が広い点です。ポイントは幅広い分野へ「多角化」をしていることで「リスク分散」が図られていることです。
住友商事の事業は以下の6つのセグメントに分類されています。
- 金属
- 輸送機・建機
- インフラ
- メディア・デジタル
- 生活・不動産
- 資源・化学品
これらのセグメントに分かれている訳ですが、「リスク分散」についてはセグメント構成比から読み取ることができます。(※2020年3月期実績より)
2020年3月期は「金属」セグメントでは減損が発生しているため、「当期利益」がマイナスになっています。
しかし、「売上総利益」「総資産」の項目からはバランスが良いと言えるでしょう。
また、2020年3月期の当期利益における資源ビジネスの割合は20%弱となっており、資源ビジネスの比率は高くありません。
2020年3月期こそ減損が発生していますが、外部要因による業績への影響をある程度抑えることができるのは強みと言えそうです。
そのため、業績の急激な悪化や株価の暴落に対しては比較的安心できるのではないでしょうか。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
2015年3月期はシェールオイル開発の失敗など、資源絡みでの巨額の減損があったため、最終赤字となっています。ただ、そこから立て直してきています。
直近年の動向としては、増収・増益傾向となっていましたが、今回の「コロナウイルス」や「資源安」の影響を受けてしまっています。
2020年3月期は黒字確保できていますが、2021年3月期に関しては未公表となっています。
これは「コロナウイルスの影響次第で1,000億円以上の変動が起こり得る」ためとしており、「経済活動再開の情報を確認・精査した上で可及的速やかに開示する」としています。
株主還元の方針
住友商事は以下の配当の方針を発表しています。
「基本方針」
⻑期にわたり安定した配当を⾏うことを基本⽅針としつつ、中⻑期的な利益成⻑による配当額増加を⽬指す
「中計2020配当方針」
連結配当性向30%程度を⽬安に、基礎収益やキャッシュ・フローの状況等を勘案の上、配当額を決定
そして、配当額の推移は以下のようになっています。
最近は増配が続いていましたが、2021年3月期は減配予想となっています。
2020年3月期の「80円/年」から記念配当10円を除いた、「70円/年」の配当を予定しています。
配当利回り
続いて配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:1,292円(2020年5月8日終値)
配当:70円(2021年3月期予想)
ここから算出される利回りは5.4%となります。
減配予想となっているとは言え、それを加味しても魅力的な配当利回りとなっています。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
減損により業績が悪化していた2016年に底値をつけた後、株価は堅調に推移していましたが、直近はコロナショックの影響でかなり下落してきています。
業績悪化の懸念と、投資家心理による売りの両方が影響していると考えています。
割安性の指標であるPBR、PERを見てみると、
PBR:0.64倍 PER:9.42倍
となっており、「PBR」の面では割安といえる状態です。
これは総合商社全般に言えることなので、他と比較した表を用意しました。
(※2020年5月8日終値時点)
割安だから株価が上がるとは限りませんが、今後の業績や配当次第では上昇する可能性が十分にあります。
5月8日の決算発表直後には株価が「8.3%上昇」しており、市場はひとまずこれまで「株価が下げすぎていた」と判断したのではないかと思います。
個人的には、総合商社全般が投資対象として魅力的だと考えており、「住友商事」はその中でも割安な銘柄だという認識をしています。
総合商社のビジネスモデル上、なくてはならない存在であると考えられることから、会社の存続は間違いないと思います。
そのため、長い目で見れる資金的な余裕のある方は買いを検討してみても面白いでしょう!
以上、「住友商事」の株価見通しでした。
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