不動産投資の中でも「区分マンション投資」は比較的メジャーで、投資対象として検討する方も多いですが、実は区分マンション投資にも種類があります。
それは、単身者向けの「ワンルーム」と「ファミリータイプ」の2つです。
果たしてこの2つの内、どちらが投資対象として優れているのか?
疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言えば、どちらかが絶対に優れているということはありません。
投資家の投資方針によるところも大きいと思います。
しかし投資方針への合致を含め、自分自身で判断をするためには、まずは知識・情報が必要です。
そのため、この記事では「ワンルーム」と「ファミリータイプ」それぞれの特徴を紹介していきたいと思います。
【この記事の内容】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」で、年収は500万円ちょっと。
現在、中古区分マンションを1件保有して、不動産投資に取り組んでいます。
私がこれまでに得た知識・経験を元に解説をしていきたいと思います。
ワンルームとファミリータイプの特徴
まずは「ワンルーム」と「ファミリータイプ」それぞれの特徴から見ていきましょう。
「ワンルーム」は一人暮らし専用の物件タイプで、学生や20~30代の独身社会人、単身赴任者等をターゲットとします。
一方で「ファミリータイプ」は、夫婦、子どもを含めた家族等、数人で住む需要をターゲットにしています。
簡単に特徴をまとめると以下のようになります。
当然ながら、ファミリータイプの方が物件の広さが必要となり、その分家賃は高くなります。
また、それぞれターゲットが異なるため、求められるものも変わってきます。
ここで簡単に紹介しておきます。
ワンルームに求められるもの
ワンルームは単身者をターゲットとしていますので、以下の要素が好まれる傾向にあります。
- 駅近
- 中心地へのアクセス
- 無料インターネット
- オートロック
- 宅配ボックス
- 浴室乾燥機
ワンルームでは、どちらかと言うと住居自体の魅力よりも、立地を含めた利便性が重視される傾向にあります。
また、家を留守にしがちなので、宅配ボックスや浴室乾燥機等の設備がついている物件が人気のようですね。
ファミリータイプに求められるもの
一方、子どもを含めた家族で住むことから、ファミリータイプでは求められるものも少し変わり、以下の要素が重視される傾向にあります。
- 駐車場
- 病院等の周辺施設
- 小・中学校の学区
- 治安
- システムキッチン
- 大きな収納スペース
- 追い焚き機能、浴室暖房
立地についてはワンルームの時より、アクセスの利便性よりも住みやすさを重視する傾向が強いです。
また、家での生活が長くなりやすいので、住環境が整っている物件が好まれるようになります。
ここまではそれぞれの特徴を見てきましたが、ここからは実際に投資するとなった時に比較するであろう要素を解説していこうと思います。
物件価格と利回りの比較
まずは最も投資の収益に直結する「物件価格」と「利回り」についてです。
・物件価格
「ワンルーム」<「ファミリータイプ」
・利回り
「ワンルーム」<「ファミリータイプ」
結論として、物件価格は当然ファミリータイプが高くなりますが、利回りもファミリータイプの方が高いことが多いです。
よく、ファミリータイプは利回りが低いと言う記事も見かけますが、これは「㎡単価=面積に対する家賃収入」のことを指しています。
しかし、私の言う利回りは「物件価格に対する家賃収入」を指しており、この視点で見るとファミリータイプの方が利回りが高くなります。
ここだけ見ると、高いといえども物件が買えるならファミリータイプを選びたくなりますが、そう結論は急がない方が良さそうです。
空室リスクの比較
次に比較していくのは「空室リスク」です。
これは賛否両論で、ワンルームが優れているという説もあればファミリータイプの方が優れているという説もあります。
このようなことが発生する理由は「視点の違い」だと考えているので、そこを含めて解説します。
入居者が入れ替わる頻度
まずは1つ目の視点として、入居者が入れ替わる頻度があります。
この視点で見ると、ワンルームはおおよそ2〜3年程度が目安で、ファミリータイプはおおよそ4〜6年程度等と言われています。
特に、子どもがいる場合は進学のタイミング等も考える必要があり、気軽に住居を変えるという考えに及ばないのでしょう。
この点では、ファミリータイプの方が空室リスクが低いと考えられます。
空室期間
もう1つ考えなければならないのは、空室期間という視点です。
新たな入居者を見つけるのはワンルームの方が簡単です。
なぜなら需要という意味では、ワンルームの方が高いからです。
また、家族で家を探すとなると、意見の一致が必要となり、入居の決定までに時間を要することがあります。
したがって空室期間の視点では、ワンルームの方が空室リスクが低いと考えられます。
結論として、空室リスクは物件の様々な条件が影響するため一概には言えませんが、個人的には「空室期間」の影響の方が大きく、ワンルームの方がリスクが低いと考えています。
修繕リスクの比較
今度は「修繕リスク」について比較していきます。
修繕リスクについてはファミリータイプの方が高くなります。
これは単純に部屋が広く、設備も充実しているため修繕対象が多くなるためです。
特に部屋の広さに比例しやすいのが「原状回復費用」で退去時の修繕負担が大きくなりやすいでしょう。
ここに影響してくるのが、先ほど少し説明に出した「㎡単価」で、家賃収入は広さに完全に比例しませんが、原状回復費用は概ね比例します。
例えばこんなイメージです。
そのため、修繕リスクはファミリータイプの方が大きくなるというわけです。
また参考までですが、同様の理由で固都税(固定資産税と都市計画税)の負担もファミリータイプの方が高くなるようです。
まとめ
ここまで区分マンションについて、ワンルームとファミリータイプの特徴を比較してきましたが、冒頭でも述べた通り、どちらかが絶対に優れているということはありません。
しかし、特徴を見ていく限り、ワンルームの方がローリスクローリターン、ファミリータイプの方がハイリスクハイリターンのように思います。
物件価格自体もワンルームの方が安く、小回りがききやすいことからも、私は区分マンション投資の取っ掛かりとしてはワンルームの方が良いと考えています。
物件のエリア等によってもニーズは様々ですので、一概には言えませんがそれぞれの特徴を良く理解した上で判断いただければ幸いです。