不動産投資を始めるには、多くの場合ローンを組むことになります。
しかし、ローン(借金)と聞くとなんだか不安になりますよね。
実際に私も同じように感じていました。
しかし、実は資産運用において融資を受けられる(借金ができる)ことはやり方さえ間違えなければむしろ良いことなのです。
そこで今回は、一般的なサラリーマンが融資を受けられる不動産投資を題材に、融資を受けるメリットを解説していきます。
ついつい持ってしまいがちな固定観念を打ち砕くきっかけになれば幸いです。
【この記事の内容】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」で、年収は500万円ちょっと。
現在、中古区分マンションを1件保有して、不動産投資に取り組んでいます。
実際にローンも組んで物件を購入していますので、経験も含めお伝えできればと思っています。
融資を受けられるメリット
不動産投資において、融資を受けられるメリットとして主に以下のものが挙げられます。
- 少額の資金でも投資を始められる
- 家賃収入からローンを返済できる
- レバレッジ効果がある
1つ目は、お金を借りるので自分の資金が少なくて済むということでイメージしやすいでしょう。
2つ目は不動産投資の収支の仕組みに関係することですが、 基本的にローンの大部分は毎月得られる家賃収入から返済されます。
そのため自分の資金をあまり必要せず、家賃を支払うのは他人(借主)であるため、不動産投資は他人のお金で自分の資産を作ることができるとも言われています。
ここまでは割と簡単に説明することができます。
しかし、最後の「レバレッジ効果がある」についてはこれだけではぱっとイメージがわかない部分がある気がします。
そのため、この部分についてはこの後に別で解説をしていきます。
融資を受けた場合のレバレッジ効果
レバレッジ効果とは「テコの原理」を意味する言葉ですが、簡単に言えば資金効率が良いことを指します。
ではその効率の良さとは何なのか?
ここでは大きく2つに分けて説明をします。
- 運用金額を大きくできる
- 運用のスピードを早められる
それでは1つずつ見ていきましょう。
運用金額を大きくできる
融資を受ける、つまり資金を借りて運用をできるので、自己資金以上の運用をすることが可能になります。
仮に収益率が一定とすると、投資額が大きくなれば当然収益額も大きくなります。
これが最もわかりやすいレバレッジ効果です。
しかし、お金を借りる以上、返済はもちろんのこと、金利を支払う必要もあります。
そこで金利を考慮した試算が以下の表になります。
かなり大雑把な計算ではありますが、金利を差し引いても(元の収益率4%ー金利2%=2%)収益額は融資が無い場合と比べれば格段に多くなっています。
不動産投資においては「ローンの元金返済分=自分の資産増」と考えることもできるので、そう考えれば効率の良い投資です。
ただし、実際の不動産投資におけるキャッシュフローで見ると、収益額はかなり減ってしまうので注意しましょう。
仮に月々3千円ちょっとのキャッシュフローが得られたとしても、年間にすれば4万円程度です。
ローンを完済するまでは、ちょうど上記の表にあるような、最初に初期手続費用として100万円を入れて4万円を得るくらいのイメージになるかもしれません。
運用のスピードを早められる
もう1つは不動産投資特有のメリットになりますが、運用のスピードを早められるということです。
最初に資金を借りてスタートし、他人のお金(家賃収入)を返済に回すことで、自分1人で資産を積み上げるよりも速く運用していくことができます。
言葉だけではわかりづらいので、図解を用意してみました。
仮にお金を貯めてから現金で不動産投資を始めようとすると、上の「毎年100万円資金投下する場合」の例では25年かかります。
しかし、最初にローンを組んで不動産投資を始め、「毎月の家賃収入」と「自己資金100万円/年」で返済をしていくと、約15年で完済してしまいます。
融資を受けた方が、10年も早くローンのない状態で家賃収入を得ることができるのです。
この仕組みこそが不動産投資における最大のメリットと言っても過言ではないかもしれないですね。
融資を受けるデメリット
ここまで融資を受けるメリットを紹介してきましたが、デメリットが無いわけではありません。
デメリットは当然ながら融資を受ける際の「金利」です。
先ほどの例のように、不動産から得られる収益率がローン金利を確実に上回っていれば良いのですが、そうでないと大きなリスクになります。
不動産投資ローンの金利は「1.5~4.5%前後が標準」と言われていたりもしますので、融資を受ける銀行次第では金利が高くなる可能性もあるので注意しましょう。
また金利が変動することもあり、返済の途中で金利が上昇し返済額が増えてしまうこともあります。
そういったことも鑑みると、いくらでも融資を受けるというわけにはいきません。
融資を受けられる条件
そしてもう1つ重要なのが、融資を受けられる条件です。
実は、誰でもお金を借りて不動産投資ができるわけではないのです。
融資を受ける際には、金融機関の審査に通らなければなりませんが、おおまかには以下の点がチェックされます。
- 勤め先
- 勤続年数
- 年収
- 信用情報(過去の借金返済状況等)
- 物件の価値や収益力
まずは、自分自身の属性が審査されます。
勤め先は信用力のある(倒産リスクの少ない)企業である方が有利で、勤続年数は3年以上が望ましいでしょう(※私は3年分の源泉徴収票を提出しました)。
年収は500万円程度がボーダーラインと最近は言われています。
さらにそれだけではなく、購入する物件も審査の対象となります。
これは不動産投資ローンが「購入する収益用不動産を担保として」受ける融資であるためで、住宅ローンよりは審査が厳しくなる所以です。
上記の条件は、あくまでも区分マンションの購入に際してのものですが、それでも中々厳しいものだと感じています。
私自身も運良くギリギリで審査に通った身です。
つまり、少し大げさに言えば、不動産投資ができるチャンスがある人は限られているということなので、この条件を満たしている方は検討する価値があるのではないかと思います。
まとめ
融資を受ける(借金をする)ことはネガティブなイメージがありますが、実は大きなメリットもあることをお伝えしました。
一方で、借金を返済できなくなることは最も避けなければいけないことなので、返済計画にはある程度余裕をもって、身の丈に合った融資を受けることが重要です。
また同じ資産運用でも、金融資産への投資では一般的に融資を受けることはできないので、このメリットを享受するには不動産投資に取り組む必要があります。
今回紹介した内容以外にも、不動産投資にはメリットがいくつかあり、(当然、反対にリスクもあります)それについては別の記事にまとめていますので、興味のある方はご覧いただければ幸いです。