今日ご紹介するのは「サムティ」
ホテルの無料宿泊券の株主優待で有名な銘柄です。
優待の内容が改良されて使いやすくなっている他、配当利回りも高く、さらには最近徐々に増えてきている議決権行使の特典も付いています。
そんな魅力が盛りだくさんな銘柄の投資判断を考えてみましたので、解説していきます。
【この記事の内容】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」です。
株式投資の経験は2010年から10年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,700万円の株式を保有しています。
ちなみに「サムティ」は2018年から300株を保有しています。
そんな私の分析ではありますが、よろしければご覧ください。
サムティの事業内容
サムティは「総合不動産会社」として事業を展開しており、その内容は3つのセグメントに分類されています。
【セグメント分類】
- 不動産事業
- 不動産賃貸事業
- その他の事業
「不動産事業」では、賃貸マンションやオフィス、ホテルの開発や、収益不動産の再生、販売をしています。
また「不動産賃貸事業」にて、賃貸マンションを軸とした安定的な賃料収入を得る他、「その他の事業 」ではホテルの運営等を行なっています。
2020年11月期のセグメント構成比は以下のようになっています。
売上・利益とともに構成比が大きいのは「不動産事業」です。
これは主に不動産の売買で得られる収益ですが、一方で中期経営計画では不動産賃貸事業を拡大し、安定的に得られるインカムゲインを増やしていく方針を打ち出しています。
現状でも「不動産賃貸事業」の営業利益率は高いので、この部分がさらに伸びていくと業績の向上も期待できそうです。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
業績は右肩上がりに伸びていて、2020年11月期まで連続で最高益の達成もしています。
2021年11月期については、減収・減益が予想されているものの、不動産売買案件において一定の投資利益が発⽣することが計画されているため、純利益は増加する見込みです。
また売上高の減少には、事業内容におけるインカムゲインへの傾斜も影響しており、不動産賃貸収入は増える計画となっています。
また、上記数値は会社予測の下限値を取っているので、ここから伸びる可能性も十分にあると思っています。
最低でも純利益が今期の水準を維持すると考えると良いかもしれません。
株主優待について
「サムティ」の株主優待は、自社ホテルの無料宿泊券です。
対象のホテルは全国13ヶ所あり、ホテルのグレードによって必要となる宿泊券の枚数は異なりますが、いずれも無料で利用できます。
優待券の権利確定月は11月で、獲得できる枚数は保有している株数に応じて変動します。
少し意外なのは、300株を保有した時に最も優待取得の効率が良くなることです。
ほとんどの銘柄で、最低保有株数において効率的なことが多いですからね。
優待狙いならば200株ではなく、300株まで頑張って保有するのがおすすめです。
なお、2020年11月の権利確定分から株主優待の内容が変更されています。
変更前との比較や、変更後の株主優待内容の詳細は別の記事にまとめていますので、気になる方はこちらもご覧ください。
議決権行使の特典
サムティでは議決権⾏使率を⾼めるべく、議決権を有効に⾏使した株主に、謝礼としてQUOカードを進呈しています。
議決権を行使するだけで、QUOカード1,000円が貰えてしまうのはかなりお得です。
もはや実質株主優待のようなものだと思えてしまいますね。
ちなみに議決権の行使から3ヶ月後くらいにちゃんとクオカードが届きます。
株主還元の方針
次に、サムティの株主還元の方針は以下のようにされています。
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つであると認識しております。配当につきましては、業績を反映させるとともに、今後の事業計画、財政状態等を総合的に勘案した上で実施することを基本方針としております。今後の事業展開、業容拡大、財務体質強化等を踏まえ、将来に備えた内部留保の充実を図ることで、実績に裏付けられた利益還元を行ってまいります。
具体的な数値指標までは打ち出していないようですね。
2021年11月期の予想配当は、中間38円、期末44円の年間82円の現状維持で、配当性向は27.2%〜30.5%となっています。
直近の実績を見ていると、配当性向は30%前後が目安になると考えています。
また、自社株買いも実施しているので、株主還元には前向きで、かつまだ余力もあると思っています。
配当・優待利回り
続いて配当・優待利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:1,771円(2021年2月10日終値)
配当:82円(2021年3月期予想)
優待:10,000円(※300株保有)
議決権行使特典:1,000円
優待については、宿泊無料券を少し安めの1泊5,000円で換算してみました。
結果は以下のようになりました!
- 配当利回り:4.6%
- 優待利回り:1.9%
- 議決権行使特典利回り:0.2%
- 合計利回り:6.7%
まず、配当利回りだけでも十分に高いと思えます。
それに加えて、株主優待を有効利用できれば、かなりお得な銘柄と言えそうです。
利回り面では、議決権行使特典はおまけ感がありますが、それでもプラスアルファと考えれば嬉しいものです。
総合的に見て、利回り面では投資魅力があると判断できそうです。
株価の推移
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
株価は上下運動を繰り返していて、直近では新型コロナウイルスの感染拡大を機に大きく下落しました。
そこからは回復してきていますが、業績が過去最高益を達成した割にはまだぱっとしない感じがします。
ホテル関連への悪影響が抜けきるまで、この調子が続くのかもしれないですね。
次に、割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:0.93倍 PER:6.26倍
(※2021年2月10日終値時点)
となっており、かなり割安な指標となっています。
特にPERの割安感が強く、業績が一過性のものでないならば、購入したい数値と言えるでしょう。
投資判断
最後に投資判断をしてみます。
サムティの魅力は大きく3つあります。
- 高い配当利回り
- 魅力的な株主優待
- 割安な株価
これに対してリスクは「不動産」の売買が主な収益源となっていることで、市況に業績が影響を受けやすい点だと考えています。
そこに対しては、今後「不動産賃貸」の収益を伸ばしていくことでリスクヘッジされていくと思います。
そして目標通りにいけば、ストック型の収益だけで2020年11月期の利益が賄えてしまうので、今より「業績」も「配当」も「株価」も大きく下がることはないのではないかと予想しています。
あくまでも目標通りに進めばではあるので、確実ではありませんが、資産の一部を投資するには十分な魅力はあると考えます。
個人的には現在の300株は維持、もし株価が下がることがあれば追加購入を検討していきたいと思っています。
以上、サムティの分析でした!