「不動産投資は保険代わりになります!」
不動産投資の話を聞くと大抵言われることです。
でも、果たして本当に保険の代わりになるのでしょうか?
不動産投資をしていれば、保険は不要なのでしょうか?
そういった疑問について、この記事では解説しています。
【この記事の内容】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」で、年収は500万円ちょっと。
現在、中古区分マンションを1件保有して、不動産投資に取り組んでいます。
自身の経験も踏まえつつ解説していければと思います。
不動産投資は生命保険・がん保険の代わりになるのか?
まずは結論からお伝えしたいと思います。
ずばり、不動産投資は生命保険・がん保険の代わりになります。
なぜなら不動産投資でローンを組むと、団体信用生命保険と呼ばれる保険が付いてくるからです。
しかし、100%代わりになるかと言うと、決してそうではありません。
ポイントになるのは、自身にどの程度の保障が必要なのかです。
必要な保障<団体信用生命保険
であれば不動産投資は保険代わりになったと言えます。
反対に、
必要な保障>団体信用生命保険
であれば不動産投資は保険代わりとは言えません。
ここからは団体信用生命保険で得られる保険効果について解説しますので、ご自身にとって必要な保障と比べて判断してください。
団体信用生命保険とは?
団体信用生命保険とは、ローンを返済する人に万一のことがあった場合に、保険会社がローンの残債を弁済してくれる保険のことです。
具体的には、ローンの借主が死亡したり、高度障害者になったりした場合にローンの残債が免除されます。
そのため、ローンの無くなった不動産が残るので、この不動産を売却して一括で現金を得ることもできますし、毎月の家賃収入を得ることもできます。
これが、団体信用生命保険によって受けられる保障です。
一般の生命保険の保障
ここで一般的な生命保険の保障と比べてみましょう。
こちらの場合も、やはり死亡または高度障害になった場合に保険金が支払われるのがメジャーです。
この保険金の受取り方には、3通りがあります。
- 全額を一括受取
- 分割して月々一定の金額を受取
- 一部を一括受取、残りを月々で分割受取
先ほどの団体信用生命保険と比較して、
- 全額を一括受取 = 不動産を売却
- 月々一定の金額を受取 = 家賃収入
と考えると、受けられる保障はほとんど同じとも捉えることができます。
違いとしては、一般の生命保険は「一括で1,000万円」「毎月10万円が20年間」等、契約時に定めた一定金額が支払われるので、より堅実だと言えるでしょう。
がん診断特約付団体信用生命保険
がん診断特約付団体信用生命保険とは、ローンを返済する人ががんと診断された場合に、保険会社がローンの残債を弁済してくれる保険のことです。
通常の団体信用生命保険と同様に、ローンの無くなった不動産を備えとすることができるわけです。
がん診断特約付団体信用生命保険には、私の知る限り以下の2通りの保障があります。
- ローン残債の全額が免除
- ローン残債の半額が免除
私が提案を受けたローンでは、「ローン残債の半額が免除」の保障は元から付いていて、「ローン残債の全額が免除」するには特約を付けるので、0.1%金利が上昇するようでした。
この特約を付けるかどうかは、慎重に考えた方が良さそうですね。
一般のがん保険の保障
こちらも一般のがん保険と比べてみましょう。
一般のがん保険も同じように、がんと診断されると保険金が支払われます。
この保険金の受取り方には、2通りがあります。
- がん診断一時金
- 治療・入院・手術給付金
一時金は大体100万円程度のことが多く、給付金は「10,000円/日」くらいが相場みたいですね。
生命保険の時と同様に、不動産の売却益、もしくは家賃収入である程度代替が効きそうです。
団体信用生命保険のメリット・デメリット
ここまで団体信用生命保険の特徴を一般の保険と比較しつつ解説してきました。
結論として、不動産のローンが免除されるという保障を通して、実質的に一般の保険と似たような効果があることがわかったと思います。
ではここからはさらに深堀りする意味で、団体信用生命保険のメリット・デメリットを考えてみましょう。
団体信用生命保険のメリット
メリットはほぼ1つで、保険料の支払いがローン返済の中に含まれていることです。
団体信用生命保険はローンを組む上で、必ず入らなければならず、保険料はローン金利に最初から含まれています。
また、がん診断特約付団体信用生命保険についても、ローン残債の半額保障であれば元から付いていることがあります。
このように、ローンを組むことで自動的に保険が付いてくると考えると、ローンの返済のほとんどは家賃収入で支払うので、自身での保険料の支払いが浮くことになります。
仮に、自分で保険に入ろうと思うと、保険料の安いネット保険ですら、最低でも以下の保険料がかかります。
大手の保険に入れば、当然これ以上かかってきますので、このコスト面が団体信用生命保険のメリットと言えるでしょう。
団体信用生命保険のデメリット
団体信用生命保険を保険代わりにする際のデメリットは大きく3つあります。
- 家賃収入が得られないことがある
- 売却が容易ではない
- ローンの返済に伴い、補償額が減っていく
保険に比べると不動産の収入は確実性がやや落ちるので、少しは現金を保有しておくことを考えましょう。
また、団体信用生命保険の保障はローン残債の免除なので、ローンの返済が進むにつれて保障額が減少していきます。
保障額が減少した際に、リスクヘッジができているかどうかについては注意が必要です。
とはいえ、ローンが減った不動産は純資産に近づいているため、それほど心配しなくても良いかもしれません。
まとめ
不動産投資は生命保険・がん保険の代わりにある程度はなることが伝わったでしょうか。
そもそも、十分な不労所得や資産がある場合は保険は不要です。
おすすめの考え方は、団体信用生命保険で保障が足りなければ、保険でフォローするという方法です。
また、金利が上がる代わりに団体信用生命保険の特約を追加する方法もありますが、資産として残るのはあくまでも不動産であって、追加で支払った金利ではありません。
基本的には投資がメインで保険はあくまでおまけ(付帯)と考え、最初から付いている保障を上手く活用するライフプランを考えるのが良いでしょう。
ただライフプランを考えるとなると、人によって様々なケースがあることでしょう。
より詳しく知りたい、相談してみたいという方は、専門家に話を聞いてみると良いと思います。
実際に私が参加した、不動産投資セミナーをまとめた記事もありますので、よろしければ参考にしてください。