「株主優待」
株式を保有する個人投資家にとっては、魅力の1つであったりしますね。
そんな株主優待を、私達の生活に身近な存在でもある「家電量販店」各社が取り入れています。
中でも、特に使い勝手が抜群に良い「ビックカメラ」の株主優待について、そして株価の見通しについて分析してみました。
よろしければご覧ください!
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
ビックカメラの事業内容
「ビックカメラ」は家電量販店の運営を主な事業としており、家電製品や情報通信機器、食品や日用品まで多種多様な商品を販売しています。
また、店舗は首都圏を基盤としつつ、日本全国に広がっています。
主なブランド名の店舗数は以下の通りです。(2020年8月末時点)
- ビックカメラ:45店舗
- コジマ:143店舗
- ソフマップ:29店舗
中でもビックカメラブランドの特徴としては「都市型」「駅前」「大型」がキーワードとなり、家電業界No1のヤマダ電機とは一線を画しています。
ちなみに、2020年8月期のセグメント構成比は以下のようになっています。
セグメント構成比を見ると、やはり物品販売がほとんどと言っても過言ではありません。
販売商品に大きな偏りがあるわけではないので、その意味ではある程度の安定収益は見込めると考えます。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
業績については、安定的に収益を上げていたところに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた形です。
家電量販店は巣ごもり需要の取り込みで、比較的ダメージが少ない傾向にありますが、ビックカメラの場合は例外となっています。
理由は、「都市型」店舗が多く「インバウンド需要」の売上が大きいためで、海外からの渡航者減少が業績に響いています。
一方で、子会社のコジマやEC売上は伸びてもいますので、「インバウンド需要」復活後の業績は楽しみできるのでは?と思います。
ちなみに、上記表の2021年8月期の業績予想は、まだ「インバウンド需要」の回復は見込んでいないようです。
そのため、業績面での評価は再来年以降の動向をどのように読むかによりますね。
株主優待
「ビックカメラ」の株主優待は「お買物優待券」です。
この「お買物優待券」は特に制限なくビックカメラ系列店舗での支払いに使用できます。
お釣りこそ出ませんが、かなり使い勝手の良い株主優待となっております。
「お買物優待券」の使用方法の詳細は以下の記事をご覧ください。
権利確定月は2月と8月で、年に2回株主優待を受けられます。
貰える「お買物優待券」は1枚あたり1,000円分で、保有株数や保有期間によって枚数が変動します。
「優待を獲得する」ことに焦点を当てると、100株保有の場合が最も効率が良く、
2年以上の保有で、年間で5,000円相当の「お買物優待券」を獲得できます。
そのため優待株として見るならばオススメは「100株の長期保有」ですね。
株主還元の方針
次に、ビックカメラの株主還元の方針ですが、以下のように公表されています。
業績に応じた適正な利益配当の実施を利益配分の基本方針としている
(2020年8月期決算説明会より)
あまり明確には方針を謳っていない感じですね。
これまでの配当の推移は以下のようになっています。
2021年8月期は1株あたり15円の配当が予想されています。
配当性向はそれほど高くないので、業績が回復すれば増配も期待できそうです。
また、これを見ると「純資産配当率(DOE)」の指標も取り入れていますね。
気になる方はこちらもどうぞ。
配当・優待利回り
続いて配当・優待利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:1,154円(2020年12月26日終値)
配当:15円(2021年8月期予想)
優待:①3枚取得(100株保有)
②5枚取得(100株保有、2年以上保有)
ここから算出される利回りは以下の通りです。
配当利回りは低い部類に入りますが、優待利回りは高いです。
優待の使い勝手も良いことを考慮すると、総合的な利回りは魅力があると言えそうです。
株価の見通し(買い時はいつ?)
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
一時期の高値からは下落したものの、コロナショック時の株価からは回復しつつあります。
ちなみに割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:1.48倍 PER:25.7倍
(※2020年12月26日終値時点)
となっており、平均よりも割高な数値です。
割高な理由としては、「都市型」の好立地を抑えていることと、なにより魅力的な株主優待にあると思っています。
株主優待によって「買い」が入っている、もしくは「売られにくい」可能性は十分にあります。
私は100株をずっと保有していますが、個人的には利回りが最も高くなる100株の長期保有がおすすめだと思っています。
買い時については難しいところですが、これまでの流れを見る限りは、これ以上大きく株価が下がることはないと考えています。
株主優待の長期保有特典を考慮すると、欲しい方はなるべく早いうちに購入してしまうのもありではないでしょうか。
以上、ビックカメラの分析でした。
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