今回は「テルモ」について紹介します。
医療機器メーカーの大手として、近年株価が強い状態を維持している企業です。
しかも新型コロナウイルス感染拡大下でも、株価は堅調なので気になっています。
また、1株保有するだけで株主優待が受けられる数少ない銘柄でもあることから、今回分析をしてみました。
よろしければご覧ください!
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
テルモの事業内容
テルモは「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、3つのカンパニーと7つの事業を展開しています。
具体的な事業内容としては、カテーテルや人工血管、医療機器や医薬品の「開発・製造・販売」を行なっています。
そして特にカテーテルや心臓血管分野に強みを持っています。
ちなみに2020年3月期のセグメント構成比は以下のようになっています。
強みの分野が数値にも出ていて、心臓血管(カテーテル含む)が売上・利益ともに大きく業績貢献していることがわかります。
また、海外売上比率比率が高いことも大きな特徴です。
約7割を海外に販売していることから、事業の幅は広く、安定収益を見込める一方で、為替の変動には注意する必要があります。
さらには、海外生産比率も56.3%と生産設備も同様に海外進出をしています。
事業内容としては、しっかりとした基盤を持っていると考えて良いと考えています。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
業績を見てみると、今期こそ新型コロナウイルスの影響を受けて、減収減益が予想されているものの、
その影響は大きくはなく、全体傾向としては増収増益の右肩上がりを描けていると言えるでしょう。
また2021年3月期の決算予想については、上期実績の上振れ分を中間決算で上方修正してきているので、底は抜けたと思っています。
株主優待
「テルモ」には以下3つの株主優待があります。
- 自社製品の優待販売
- 自社オリジナルカレンダー
- 自社施設見学会
それぞれ簡単に紹介します。
自社製品の優待販売
血圧計、体温計、栄養補助食品、圧迫ストッキング等の自社製品を、特別価格で購入することができます。
対象の商品は、新製品が中心となっているようです。
自社オリジナルカレンダー
翌年のオリジナルカレンダーがもらえる優待です。
申込みが7月頃、発送が11~12月頃となっていて、権利確定月は3月なのが珍しいので注意しましょう。
自社施設見学会
テルモメディカルプラネックスの見学会に抽選で参加することができます。
見学会では、テルモの医療への取り組みを見られる展示室の見学や、テルモ製品を使用した医療現場の疑似体験が出来ます。
中でも1株の保有でカレンダーが貰えるのはかなりお得ではないかなと思います!
なお、権利確定月と株主優待が届く時期については、以下のようになっています。
他にも「1株保有するだけで株主優待が受けられる」銘柄はあります。興味のある方は以下の記事をご覧ください!
株主還元の方針
次に、 テルモの株主還元の方針ですが、以下のように公表されています。
配当は年間28円で当面据え置き
(コロナ影響が終息後、従前の方針に従い、増配へ回帰)
この方針を見る限り、ひとまずは減配はなさそうです。
また、業績面からも28円はほぼ保証されていると考えられます。
配当性向は約30%、自己資本比率は約60%と財務状態も良いので、
「コロナ脱却・業績の回復が見て取れること」が条件にはなるでしょうが、いずれ増配が期待できると思っています。
配当・優待利回り
続いて配当・優待利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:4,114円(2020年12月18日終値)
配当:28円(2021年3月期予想)
ここから算出される配当利回りは 0.68% です。
配当利回りはかなり低いです。
これは株価がかなり高くなっているためだと考えられますが、それについてはこれから見ていきます。
優待利回りは金額換算が難しいため、今回は算出しませんでした。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
直近5年間は完全な上昇基調で、新型コロナウイルスの影響もあまり感じさせず伸びています。
5年間で株価は2倍以上になっているのはすごいですね。
ちなみに割安性の指標となるPBRとPERを見てみると、
PBR:4.04倍 PER:45.71倍
(※2020年12月18日終値時点)
となっており、指標上はかなり割高だと考えます。
現在の日経平均株価構成銘柄の平均が、
PBR:1.19倍 PER:24.94倍
であることからも、かなり株価が高いことがわかります。
それだけテルモへの市場の期待が集まっているということでしょう。
現在はコロナウイルスの影響がある仲、銘柄が選別されているので、やや資金が集中している可能性もあると思っています。
個人的には、今後さらに上昇する確信は持てないので、大きな資金を入れるのは避けておこうと思っています。
ただし、株主優待のカレンダーは魅力的なので、少ない株数を保有するのは選択肢としてありでしょう!
以上、テルモの分析でした。
1株保有を検討するならば、以下の記事を参考にしてみてください。