株式投資をやっていると、どうしても保有株式が値下がりしてしまうこともあると思います。
本当は大きな評価損を抱える前に、損切りができるといいのですが、正直難しいことも多々あるでしょう。
私自身も「長期投資」という建前の元、「塩漬け」状態となっている銘柄があります。
今回はそんな「塩漬け」状態の株式をも活用することができる「SBI証券の代用有価証券制度」について紹介していきたいと思います。
(※塩漬け状態ではない株式もちゃんと有効活用できますよ)
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
代用有価証券制度とは?
信用取引をする際は、通常「証拠金」と呼ばれる資金(現金)が必要となります。
この証拠金の代わりに、有価証券を担保として差し入れて取引できる仕組みを「代用有価証券制度」と言います。
この制度、一般には国内株式で信用取引をする場合に使用することが有名かと思います。
これが「SBI証券」の場合はFXでもできてしまうのです。
別名「FX株券担保サービス」とも呼ばれています。
ただし、現在「SBI証券」でFX取引の株券担保として利用できるのは、国内上場株式のみとなっているので注意しましょう。
評価額の算出方法
次に「株式」が担保として「証拠金」となる際の、評価額の算出方法を確認しておきます。
評価額の算出の考え方は、
前営業日の時価評価額に70%を乗じた価額
となっています。
算出例を作ってみたのでご覧ください。
ここでは、担保となる「株式」の価格変動によって、「証拠金」が増減してしまうことを抑えていただければと思います。
メリット
ここからは、代用有価証券制度を活用してFXをやるメリットを解説します。
メリットは大きく3つです。
- 資金効率が良い
- 代用担保のまま優待と配当が受取可能
- いつでも売却可能
それでは1つずつ見ていきます。
資金効率が良い
まず1つ目は言わずもがなですが、資金の効率が良いことです。
株式に投資した資金だけで、「株式投資」と「FX」の両方ができてしまうと考えると、二度美味しいですね。
担保のまま優待と配当が受取可能
2つ目は担保としたままでも「株主優待」と「配当金」が受け取れることです。
特に、株主優待の長期保有特典にも対応しているのがポイントです。
「貸株サービス」を利用したことがある方はわかるかもしれませんが、
「貸株サービス」では「株主優待」や「配当金」を源泉徴収ありで受け取る場合、一度貸株を中断する必要があります。
そういった面倒が無いことは助かりますね。
いつでも売却可能
最後は、いつでも担保としている「株式」の売却が可能であることです。
これも「貸株サービス」と比べると、「貸株サービス」は売却前に貸し出しを止める必要があります。
数日とはいえ、売却までに間が空いてしまうのは時に不便です。
ただし売却後、証拠金が減ることには違いないので、資金管理には注意が必要です。
デメリット
反対にデメリットも解説していきます。
こちらも大きく3つあります。
- リスクが高い
- 貸株サービス利用不可となる
- NISA口座の株式は非対応
それでは1つずつ見ていきます。
リスクが高い
資金効率が良いということは、裏を返せばリスクが高くなるということでもあります。
証拠金は「FX取引」の結果と、「株式」の価格変動の両方に影響を受けるので、目一杯の運用をしてしまうと、証拠金が不足し「追証」が必要となる恐れがあります。
特に「FX取引」の損失と「株式」の値下がりが重なると大変なことになるので、資金の管理にはかなり注意が必要です。
貸株サービス利用不可となる
SBI証券では、代用有価証券制度を活用してFXをやる場合、「貸株サービス」が利用できなくなります。
どちらか1つを選ぶ必要があるので、「貸株サービス」をやりたい方は気をつけましょう。
NISA口座の株式は非対応
FXの担保(証拠金)とできる株式は、NISA口座ではないことが条件となります。
これはルールとして認識するしかありませんが、非課税枠との両立ができないのは考えどころです。
メリットとデメリットはきちんと抑えて、特にリスク管理には気をつけて制度を利用するようにしましょう。
申し込み方法
FXで代用有価証券を活用する場合の申し込みは、FXの取引ページから実施します。
「代用管理」→「株券担保サービス申込」と進んでいけば簡単に申し込みできます。
担保への振替方法
株式を担保(証拠金)へ振替える際もFXの取引ページから実施します。
「代用管理」→「代用有価証券一覧」と進むと、保有している株式が表示されます。
その中から、担保としたい銘柄の「代用振替」にチェックを入れて進めれば振替できます。
まとめ
ここまで、FX取引に活用する前提で代用有価証券制度を紹介してきました。
代用有価証券制度は便利な半面、リスクも理解しておかなければ危険も生じてしまいます。
私はFX取引で代用有価証券制度を活用していますが、あくまでも保険としての使い方をしています。
言い換えると、基本的な証拠金は「現金」で用意しているということです。
その上で、評価損が拡大してしまった時等に、ロスカットを防ぐ目的で代用有価証券制度を使っているといった感じです。
あくまでも一例として、少しでも参考になれば幸いです。
以上、SBI証券の代用有価証券制度について紹介でした!