今回は人気株主優待銘柄の1つである「イオン」を紹介していきたいと思います。
「イオン」の株主優待は「イオン」を頻繁に利用する人にとっては、非常に利便性の高い内容になっています。
また、株主優待だけではなく、様々な視点から「イオン」への投資に魅力があるかどうかを考えていきます。
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
株主優待について
「イオン」の提供する株主優待は大きく分けると以下の2つです。
- オーナーズカード(株主さまご優待カード)
- イオンギフトカード(長期保有株主優待制度)
1つ目の「オーナーズカード」は、「本人カード」と「家族カード」を各1枚ずつもらうことができ、イオン系列の店舗で様々な特典を受けることができます。
そしてもう1つは、長期保有によってもらえる「イオンギフトカード」です。
保有株数や保有期間に応じて、株主優待の内容が変わることがあるので、一覧化してみました。
この内、「イオン」の株主優待が人気な理由は「オーナーズカード」にあります。
その「オーナーズカード」の特典は大きく以下の4つです。
- キャッシュバック特典
- 一部店舗での会計割引
- 映画館を「優待料金」で利用
- イオンラウンジの利用
どれも魅力的な特典ですが、詳細は以下の記事をご覧ください。
優待/配当利回り
次に「イオン」の利回りを見ていきたいと思います。
まず「優待利回り」ですが、正直算出は難しいです。
しかし、強引に「条件」を設定して算出してみます。
『条件』
- 保有株数は100株
- イオンで年間20万円買い物をする
この場合、「オーナーズカード」の特典である「キャッシュバック」は買い物金額の3%受けられます。
つまり20万円 ✕ 3% = 6,000円が「キャッシュバック」として受けられる計算です。
そこで利回りですが、以下の数値で計算してみます。
保有株数:100株
株主優待の価値:6000円(キャッシュバック)
株価:2,307.5円(2020年5月19日終値)
配当:36円(2021年2月期予想)
ここから算出される利回りは以下の通りです。
配当利回りはあまり高くなく、優待利回りを合わせて4%ちょっとといったところです。
4%は悪くない数字ですが、あくまでも「イオン」で買い物することが前提条件になってきます。
「イオン」をよく利用する方にとっては、利回りがよく感じることでしょう。
株主還元の方針
「イオン」では配当金の基本方針を以下のように公表しています。
株主の皆さまからお預かりした資本に対していかに報いるかという視点に立ち、連結業績を勘案した配当政策を行ってまいります。
具体的には、1株当たり年間配当金については前年以上を維持しつつ、連結配当性向30%を目標として定め、更なる利益成長並びに株主還元に努めてまいります。
また直近年の配当金推移は以下のようになっています。
配当額は右肩上がりが続いているものの、配当性向は高止まりしている状態です。
「1株当たり年間配当金については前年以上を維持」の方針ですが、原資となる「利益」を稼ぎ続けられるかが気になるところです。
事業内容
「イオン」はGMS事業を中心として、様々な業態の小売業を傘下に収め、総合小売業として業界No1の地位を築いています。
また小売だけでなく、小売に関連した金融事業や不動産(ディベロッパー)事業にも手を広げており、多角的な事業を展開していることも大きな特徴となっています。
「イオン」のセグメント構成比は以下のようになっています。(※2020年2月期実績より)
営業収益(=売上高)が高いのは「GMS事業」「SM事業」ですが、営業利益を多く稼いでいるのは「総合金融事業」「ディベロッパー事業」となっています。
小売業と言いながら、小売に関連した他事業が利益を稼ぐ柱となっていて、多角化した効果が出ています。
また、最近はドラッグストア「ウエルシア」を中心とした「ヘルス&ウエルネス事業」の伸長が目立っています。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
最近の動向としては、「増収増益」が続いています。
傾向としてはいいですが、気になる点は利益率です。
売上高が8兆円を超えるのに対し、純利益は2020年2月期で268億円と、 最終利益があまり残っていない点が懸念されます。
薄利多売の商売とは言え、もう少し利益率が上がってくると投資家としては嬉しいですね。
なお、2021年2月期の予想はコロナウイルスの影響を踏まえ、幅をもたせて公表しています。
- 営業収益(=売上高):80,000〜84,000億円
- 営業利益:500〜1,000億円
業績予想は「減収減益」となっており、巣ごもり需要によってスーパーマーケットは追い風かと思いきや、今後の動向に注意が必要です。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
最も株価が高かった2018年頃と比べると、若干値を下げていますが、コロナウイルスの影響もほとんど無く堅調な推移をしています。
ちなみに私は5年以上前に「1,242円」で購入しました。
いい時に購入できたと自画自賛です。
今後の見通しですが、まずは割安性の指標を確認します。
PBR:1.82倍 PER:250.82倍(2020年5月19日終値)
指標上は株価がかなり割高であることが分かります。株主優待の魅力で株価が上に引っ張られているのかもしれませんね。
「イオン」の成長性については、国内はそれほど期待できませんが、最近は海外進出にも力を入れているため、少しずつ伸びていくと予想しています。
個人的な結論としては、「短期的に株価が大きく値上がることはない」ものの「今後も堅調に推移する」と考えています。
株主優待狙いで購入するのはありだと思います!
以上、イオンの分析記事でした。