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【2021年3月期 決算発表】累進配当銘柄「伊藤忠商事」の株価推移と見通しについて

今回は「伊藤忠商事」について紹介してきたいと思います。

 

「伊藤忠商事」は2020年度に時価総額において三菱商事を逆転し、純利益と合わせて文句なしのトップを実現しています。

 

また、累進配当を宣言しており、株主還元にも積極的であることも大きな特徴です。

 

そんな勢いのある銘柄ですが、2021年3月期の決算が発表されましたので、最新の決算情報を踏まえつつ、今後の見通しについて考えてみました。

 

【この記事の目次】

 

この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」です。

 

株式投資の経験は2010年から10年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,700万円の株式を保有しています。

 

また現在総合商社5銘柄を保有しており、伊藤忠商事も100株保有しています。

 

かれこれ8年近く保有を継続しておりますので、経験も踏まえつつ解説ができればと思っています。

 

伊藤忠商事の事業内容

伊藤忠商事は、様々な商品のトレーディングや事業企画・投資を中心に幅広くビジネスを展開しています。

 

また、セグメント分類は以下の7つに分かれています。

  1. 繊維
  2. 機械
  3. 金属
  4. エネルギー・化学品
  5. 食料
  6. 住生活
  7. 情報・金融
  8. 第8

 

「第8」セグメントは聞き慣れませんが、傘下に「コンビニのファミリーマート」などを持ち、市場や消費者ニーズに対応した「マーケットインの発想」による新たなビジネスの創出を行なっています。

 

次にセグメント構成比を見てみましょう。 (※2021年3月期実績より)

  資産 売上総利益 営業利益
繊維 4.2% 5.0% 1.8%
機械 11.1% 9.8% 5.9%
金属 9.1% 6.2% 21.9%
エネルギー・化学品 12.7% 12.8% 18.8%
食料 17.8% 18.6% 17.5%
住生活 10.3% 8.3% 8.3%
情報・金融 12.3% 15.8% 15.9%
第8 22.6% 23.5% 9.9%

伊藤忠商事の1番の特徴としては、総合商社の中でも非資源分野が強い点です。

 

2020年3月期、2021年3月期とともに非資源分野における当期純利益の割合は7割を超えています。 

 

また全体的には分散が図られており、現状総合商社の中で最も安定して利益が稼げていると言っても過言ではありません。

 

実際に以前、資源価格が急落して総合商社各社が大きな減益に陥った際にも、伊藤忠商事は影響をあまり受けなかった経緯があります。

 

加えて、直近のコロナウイルスの影響も、伊藤忠商事が最も軽微で済んでいるようです。

 

直近の業績

直近の業績は以下のようになっています。

単位:億円 営業収益 営業利益 純利益
2015年3月期 55,914 3,850 3,006
2016年3月期 50,835 1,379 2,404
2017年3月期 48,385 2,984 3,522
2018年3月期 55,101 2,941 4,003
2019年3月期 116,005 5,632 5,005
2020年3月期 109,830 4,514 5,013
2021年3月期 103,626 4,034 4,014
2022年3月期(予)     5,500

当期純利益で見ると、2016年3月期に一度減益になっていますが、これは総合商社各社どこも同じ状況に陥っており、資源比率の低い伊藤忠商事はむしろ影響が小さく済んでいます。

 

その後は右肩上がりの成長を続けており、2019年3月期はユニー・ファミリーマートホールディングスを子会社化したこともあって、営業収益も大きく増えています。

 

2021年3月期はコロナウイルスの影響もあり、減収・減益となりましたが、それでも4,000億円の純利益を確保し、総合商社の中でも減益幅が小さい結果となっています。

 

2022年3月期は再び増益予想となっており、最高益を計画していることから、収益力は十分だと考えられます。

 

株主還元の方針

伊藤忠商事は2022年3月期の株主還元方針を以下のように掲げています。

【配当】
・1株当たり配当金は94円を下限とする
・2022年3月期中に業績見通しを上方修正する場合は増配を実現
・中期経営計画期間中に1株当たり配当金100円を目指す

【自己株式取得】
従来通り、キャッシュアロケーションの状況に鑑み、機動的・継続的に実行する

 

以下は、1株当たり配当金の推移です。

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2022年3月期の配当については、増配計画の1株当たり94円を発表しています。

 

また、業績の上方修正がある場合は増配を実施する旨も合わせて発表しています。

 

参考までですが、2022年3月期の計画通りの場合、配当性向は約25%となります。

 

利益の上方修正があった場合、その利益額に対して配当性向25%になる程度の増配は期待できるのではないかと考えています。

 

仮にこの想定通りになると、500億円の上方修正で8円の増配が実施される計算になります。

 

割と現実的な数字ではないでしょうか…。

 

配当利回り

次に気になる配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。

株価:3,299円(2021年5月14日終値)
配当:94円(2021年3月期予想)

 

ここから算出される配当利回りは2.8%となります。

 

総合商社の中では低い利回りですが、これは株価が高いことが起因していると思います。

 

今の株価では、高配当利回りとは言えませんが、減配がほぼ無いと考えると悪くはない気もしますね。

 

自社株買い実施状況

伊藤忠商事は自社株買いに積極的で、近年の実施状況は以下のようになっています。

取得期間 取得金額
2020年6月12日〜2021年6月11日 700億円※
2019年2月6日〜2019年6月3日 1,000億円
2018年12月5日〜2019年1月4日 300億円
2017年5月8日 279億円
2016年11月4日 162億円
2014年7月25日~2014年12月12日 1,007億円

※取得期間継続中のため取得金額の上限

 

伊藤忠商事は2018年10月以降、合計約2,000億円を投じ1億株取得する見込みを発表していました。

 

直近の動向としては、株価が高かったこと、コロナ禍において手元キャッシュの充実が必要だったことも含めてこれが実現されるかは不透明ですが、

 

株主還元の方針に「機動的・継続的に実行する」とありますので、今後また自社株買いが行われる可能性は十分にあるでしょう。

 

株価の見通し

まずは直近5年間の株価推移を確認します。

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株価は過去5年間ほぼ右肩上がりを描いています。

直近は「コロナショック」の影響を受けたものの、影響は軽微と言って良いでしょう。

伊藤忠商事は、私が保有している他の総合商社銘柄と比べて、株価が下落しにくいという特徴があります。

 

理由は大きく2つだと考えます。

  • 資源に依存しない収益基盤
  • 自社株買いによる株価の下支え

 

総合商社には「資源価格の急落に伴う減損処理の発生」によって、利益が毀損されるリスクがありますが、非資源に強みをもつ伊藤忠商事は他の総合商社よりも影響が少ないです。

 

また今後も「自社株買い」が実施される可能性も高く、株価の下支えがあると考えられます。

 

一方で「他の商社よりも中国依存度が高い」という弱点もあります。

 

例えば、伊藤忠商事は中国の国有企業、中国中信集団(CITIC)に10%出資していて、2018年11月にはCITIC株で1,433億円の減損損失を計上した経緯があります。

 

それでも個人的には、伊藤忠商事は「安定した配当銘柄」だと考えています。

 

しかし、割安性の指標であるPBR、PERを見てみると、

PBR:1.48倍 PER:8.91倍
(※2021年5月7日終値)

 

となっており、特にPBRでは他の総合商社よりも割高感があります。

 

割安に株式を購入しようと考えると購入時期はやや難しいかもしれません。

 

それでも今のところは堅調に株価も上昇していくのではないかと思うので、堅実な投資を狙うのであればポートフォリオの一部に組み込みたい銘柄だと個人的には考えています。

 

最後ですが、他の総合商社と比較してもらうと伊藤忠商事の特徴がより見えてくると思います。

 

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