今回は総合商社銘柄について紹介していきます。
個人的に総合商社銘柄はおすすめで、私は「三菱商事」「伊藤忠商事」「三井物産」「住友商事」の4銘柄を保有しております。
理由は、配当利回りが高いからです。また、トレンドとして大手総合商社が株主還元を強化していることから、今後も高い利回りが期待できます。
そしてもう1つの理由は、総合商社のビジネスモデルの特徴にあります。
総合商社は多くの分野における投資や取引を事業としています。そのため、自然と多角化・リスク分散が図られていると捉えることができるからです。
そんな総合商社全8銘柄(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅、双日、豊田通商、兼松)のランキングをつけてみたいと思います。
【この記事の目次】
それでは早速内容に入っていきましょう。
ランキングの決め方
ランキングの決め方ですが、投資指標となる7つの項目毎にランキングを付けてポイント化します。
そしてポイントを合計して最終的な順位を決めていきたいと思います。
今回使用する投資指標は以下の7点です。
- 時価総額
- 純利益
- 配当利回り
- 配当性向
- 自己資本比率
- PBR
- PER
それでは1つずつ順位を見ていきたいと思います。
指標ごとのランキング
指標①:時価総額
1つ目のランキングは時価総額です。
企業に対する市場の評価を見る指標と、企業規模を測る尺度として使用しました。
(2020年5月8日時点)
1位は「三菱商事」で、「伊藤忠商事」が続いています。
「伊藤忠商事」は、近年最も株価のパフォーマンスが良い銘柄で、首位奪還の時が来るかもしれません。
また、最近「豊田通商」が「丸紅」を逆転して5位にランクインしています。
指標②:純利益
2つ目のランキングは純利益です。
企業の稼ぐ力、収益力を確認する使用にしています。
(2020年3月期実績より)
「新型コロナウイルス」や「原油安」などが起きましたが、赤字転落した「丸紅」以外は、黒字を確保しています。
こちらも「三菱商事」と「伊藤忠商事」が首位争いを繰り広げています。
指標③:配当利回り
3つ目のランキングは配当利回りです。
投資家の収入に直結する重要な投資指標です。
(2020年5月8日時点)
「豊田通商」と「双日」は2021年3月期の配当額が未定のため2020年3月期実績で算出しています。
また「丸紅」も2021年3月期の配当額を公表していませんが、予想純利益と配当性向から概算で算出しています。
指標④:配当性向
4つ目のランキングは配当性向です。
企業が純利益からどれくらいの割合を配当に回しているかを表す指標です。
住友商事がやや高めですが、それ以外はごく一般的な配当性向となっています。
ランキング上は配当性向が高い銘柄を上位としましたが、配当性向が低いほうが「増配余力がある」と解釈することもできますので、バランスの良い視点を持つことが重要です。
指標⑤:自己資本比率
5つ目のランキングは自己資本比率です。
自己資本比率は企業の安全性を測る指標となっています。
(2020年3月期実績より)
規模の大きい企業が上位にランクインしています。
総合商社の場合、規模と安定性は相関関係にあると言えそうです。
指標⑥:PBR
6つ目のランキングはPBRです。
株価純資産倍率とも言い、基本的にはPBRは1倍を割っていると割安だとされています。
0.5倍〜1倍の間に集まっており、全体的に割安の指標となっています。
上位の「丸紅」などは業績悪化によって株価が下がっている影響が出ているので、その点は注意が必要です。
指標⑦:PER
最後7つ目のランキングはPERです。
株価収益率とも言い、今の株価分の利益を何年で稼げるかを示しています。
総合商社は全体的に割安の銘柄が多くなっています。
利益がしっかりと出ているならば、投資対象するのもありですね。
総合ランキング
各ランキングにおける獲得ポイントの合計から総合ランキングを出しました!
栄えある第1位は三菱商事です。流石総合商社NO.1といったところでしょうか。
しかし、特に上位は僅差の戦いになりました。
個人的には、大体買いたい順に並んでいるので、今回のランキングには満足しています。
銘柄紹介
ランキングだけで「上位の銘柄を購入しよう」とは決めきれないと思います。
そこで、ここからは総合ランキングの順位に沿って、各銘柄を簡単に紹介していきます。
1位:三菱商事
まずは1位の三菱商事ですが、時価総額・純利益額ともに総合商社トップで申し分ない企業です。
また三菱商事は「累進配当政策」を取ることを対外的に発表しており、2021年3月期も増配を予定しています。
規模が大きく、収益力・安定性に強みがあることから、増配と株価の上昇の両方が期待できる銘柄であり、総合商社銘柄をまだ保有していない方にもオススメの銘柄です。
2位:住友商事
次は2位の住友商事です。
配当利回りが高い銘柄ですが、2020年3月期はあまり良い決算ではありませんでした。
しかし自己資本比率は高く、 セグメント毎のバランスが良いことから安定性には強みがあると考えています。
株価が下がっている今のうちに購入するのもありかもしれませんね。
3位:三井物産
3位は三井物産です。
三井物産も総合商社の中では規模が大きく、自己資本比率もトップで手堅い銘柄となっています。
三井物産は資源比率が高いことが特徴です。そのため資源価格の変動や為替には気を配っておく必要があります。
複数の銘柄を保有する場合にポートフォリオに加えておきたい銘柄だと思います。
4位:双日
4位は双日です。
双日は「割安性の指標」と「配当利回り」において上位になっていることから、株価が相対的に安い銘柄となっています。
企業規模や安定性では他の総合商社にやや劣るものの、この割安感は投資対象としての魅力の1つです。
また、双日は100株で25,000円前後で購入できるので、投資しやすい銘柄となっています。
5位:伊藤忠商事
5位は伊藤忠商事です。
伊藤忠商事は非資源事業に強く、最近では最も株価に勢いのある銘柄です。
積極的に自社株買いを実施しており、株価の上昇要因になっています。
株価が相対的に割高なので、今から手を出すのは勇気がいるかもしれませんが、業績が好調なので購入を検討しても良いと思います。
欲しい銘柄ですが、購入タイミングが悩ましいです。
6位:豊田通商
6位は豊田通商です。
豊田通商はトヨタ系列の商社であり、取り扱う商材も自動車関連のものが大半を占めています。
2020年3月期までで11年連続増配を達成しており、今後にも期待したくなる銘柄です。
総合商社の中では相対的に割安感はないので、その辺りをどのように考えるかでしょうか。
7位:兼松
7位は兼松です。
規模は総合商社の中で最小で、リスクもありますが、反対に伸び代があるとも考えられる銘柄です。
他の総合商社銘柄と同様に高配当・割安であることには変わりありません。
総合商社の中ではやや難易度の高い銘柄です。
8位:丸紅
ラストは丸紅です。
2020年3月期に減損を計上したため、総合商社の中で唯一赤字となりました。
その影響もあり、株価は下落して割安になっていますので、今後の業績回復を信じて勝負をするならこの銘柄です。
まとめ
総合商社株は安定性があり、高配当だと考えていますので今回のランキングを作ってみました。
購入する際の投資スタンスとしては長期保有、配当重視が個人的におすすめです。
ちなみに私は「三菱商事」「伊藤忠商事」「三井物産」「住友商事」の4銘柄を、7〜8年くらいは保有しつづけていますが、取得価額と比べてそれなりに値上がりしています。
また、配当利回りも現在の株価で見れば4〜5%くらいですが、取得価額に対して見ると、もっと高くなります。そこで取得価額に対する配当利回りを算出してみました。
取得価額で計算すると、配当利回りは4銘柄合計で6.77%となりました。これが増配銘柄の強みであり、資産運用には時間が不可欠であることを示しています。
投資には当然リスクもありますが、このように時間とともに資産も収入も増やしていくことができます。
投資は早く始めて時間をかけることがポイントです。その取っ掛かりとして総合商社を選んでみてはいかがでしょうか。
もし、総合商社の中から1つの銘柄を選ぶことが難しい場合は、複数の銘柄に「分散投資」するのも1つの方法です。
「分散投資」についてはこちらをご覧ください!