本日は総合商社の一角である「双日」について紹介します。
双日は総合商社8社中、時価総額で7位ではありますが、その額は約3,000億円と全企業の中ではかなり大きな規模を誇ります。
また、総合商社株として例に漏れず高配当利回り銘柄です。
2021年4月30日(金)に発表された決算情報では、配当下限に「時価DOE」という新たな指標を採用しており、非常に興味深い発表でした。
この記事では、そのあたりも含めて解説していきたいと思います。
【この記事の目次】
この記事を書いている私は、29歳の「ごく普通のサラリーマン」です。
株式投資の経験は2010年から10年ほどで、現在は50銘柄以上、約1,700万円の株式を保有しています。
また現在総合商社5銘柄を保有しており、双日も1,000株保有しています。
実際に保有してみて感じたことも踏まえつつ解説ができればと思っています。
双日の事業内容
双日は他の総合商社と同様に、世界中の国や地域における「物品の売買及び貿易業」「製品の製造・販売」「事業への投資」などを事業としています。
双日の事業は多くの分野に分かれており、以下の9個のセグメントに分類されています。
- 自動車
- 航空産業・交通プロジェクト
- 機械・医療インフラ
- エネルギー・社会インフラ
- 金属・資源
- 化学
- 食料・アグリビジネス
- リテール・生活産業
- 産業基盤・都市開発
セグメント構成比は以下のとおりです。(※2021年3月期実績より)
総合商社の場合、資源・非資源の比率は重要視されますが、双日の場合そこまで資源の比率は高くありません。
また、金属・資源セグメントでは赤字が出ていますが、市況の影響が大きく、一過性と考えて良さそうです。
多角的な事業を行なっていることと、セグメント構成比が大きく偏っていることもなく、リスク分散が図られていると考えられます。
直近の業績
直近の業績は以下のようになっています。
2019年3月期までは増益が続いていましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、直近は減益傾向にあります。
しかし、業績の底は抜けたようで、2022年3月期は増益の予想となっています。
再び2019年3月期の純利益額を超えていけるようになれば面白いですね。
株主還元の方針
双日は以下の配当の方針を発表しています。
・安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって株主価値を向上
・連結配当性向30%程度を基本
・下限配当:中期経営計画2023より、PBR1倍に至るまでは時価DOE4%、PBR1倍到達後は簿価DOE4%を設定
「時価DOE4%」とは「前年度の株価平均ベースとした時価総額に対する4%」と定義しているようです。
言い換えると、PBR1倍に至るまでは配当利回り4%を下限とすることになります。
現在の財務状況から考えると、株価が500円を超えるくらいまでは配当利回り4%が維持されそうです。
次に配当額・配当性向の推移です。
2020年3月期までは「増益に伴った増配」が続いていましたが、2021年3月期は減配になりました。
2022年3月期は再び増配予想となっていますし、下限配当の方針もあるので、それなりに期待してよいのではないかと考えています。
配当利回り
続いて配当利回りですが、以下の数値を元に計算してみます。
株価:342円(2021年5月28日終値)
配当:14円(2022年3月期予想)
ここから算出される利回りは4.1%となります。
現状は、会社方針の配当利回り4%とちょうど同じくらいになっています。
また安定して4%が見込めるならば、魅力的な利回りと言って良いでしょう。
株価の見通し
まずは直近5年間の株価推移を確認します。
業績の伸びに合わせて、株価も上昇していましたが、コロナウイルスの影響によって一度大きく下落しました。
しかし、そこから業績の回復見込みが出てきたことから、株価は回復途上にあります。
割安性の指標であるPBR、PERを見てみると、
PBR:0.66倍 PER:7.76倍
(※2021年5月28日終値)
となっており、割安な指標にあると言えそうです。
また、双日は株主還元の方針でも、PBR1倍以下は割安とみなしているため、その水準までは株価の上昇を期待しています。
そのため私はこの考え方を基準に、株価が500円に達するまでは売却せずに保有していこうと考えています。
これから購入する方も株価500円まで、まだ値幅が狙えるので、割と面白いのではないでしょうか。
投資はあくまでも自己責任でお願いしますが、この記事が参考になれば幸いです。
以上、双日の分析記事でした!
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